家族パラです。
幸せに暮らしてます。


































小さなある日の出来事

























―本日は晴れやかな日曜日となるでしょう―















ラジオのその一言を聞いた途端、洗濯を干す手を緩めることなくエドワードは呟いた。







「ウィンリィ,今日はどこか行こうか」





窓の目の前のソファでうとうとしていたウィンリィは,突然の言葉に目を開ける。







「だからさ,3人でさ,」





エドワードは,彼女のおなかを指さしながら笑う。







合点が行ったウィンリィも笑って



「天気いいもんね」



と,空を見上げて言った。




















二人…いや,三人は賑やかな遊園地へと足を運んだ。







アトラクションはあまりないけれど,花が咲き乱れ,少し昔のカントリー調の家が並ぶ。











そこは,とても穏やかで。








歩くにはぴったりの,そんな遊園地。

















ぶらぶらと,あてもなく歩いていく。























と,唐突にエドワードは,公園に似合った小さな一軒の店の前で足を止めた。



ガラスのショーウィンドウを見つめる。





彼の不可解な行動にウィンリィも足を急に止めた。









「…どうしたの?」





という疑問の声と一緒に。


彼女の質問に答えることなくエドワードはその店に入っていく。









そして,ショーウィンドウから外を見つめる,ふわふわしたクマのぬいぐるみを掴んだ。


「これ,ください」

1メートルはある大きなものをブンッと不躾にレジへ差し出した。






ウィンリィには彼がどうしてそうしているか分からなくて,ただ呆然としてしまう。



「?!…エド?」


「6800センズになりますっ」







ウィンリィの言葉を聞くこともなく,若い女性店員は溌剌とした声で言った。



そして惜しみもなく,エドワードはお金を払う。

ウィンリィは彼が突然ぬいぐるみを買い,満足そうに笑うことに疑問を持った。



「そんなの,好きだったっけ?」

明らかにそんなはずはないという風に言う。





エドワードは笑顔のまま、ウィンリィの方へ向ってしゃがみ込んだ。

突然,くまを前に出し,裏声を出す。


「はじめまして,こんにちは。早く出てきてお友達になってね」

ウィンリィの少し大きくなったおなかに話しかけた。

「ってな?」



エドワードは上を向いて,分ったかという風に言った。










間を置いてからウィンリィはふきだした。



「な,なんで笑うんだよ?!」

エドワードは顔を赤くしながら叫ぶ。




「ううん,嬉しいなーって,ね。お父さん」

目じりの涙を救いながらウィンリィが答えた。




「あ?…あぁ」





二人は笑う。















そうして日がゆらりと傾き始めて。




クマを抱えて,帰っていく。




















君に伝えたい,小さなある日の出来事。


































あるCMを見て。
どうしても書きたくなったので。
見た時に思わず「美味しいな」と言ったら,妹が一緒のこと考えてた…と言った。
そんな事同時に考えるなんて嫌だとも言われた。