ネリネの花言葉(田舎組)



「ウィンリィ!!!急いで駅まで来て!!」


アルが電話越しから叫んだ。


「ヘ??」


急な言葉に困惑しか出来ないウィンリィ。


「言いから、早く!!」

「う、うんっっ」




ウィンリィは駅まで急いだ。




「えきちょーさーん!!!」


あんなに急いでいたアルが心配で、駅が見えた途端叫んでみる。


「お、ウィンリィちゃん来たね?」


駅長はそんな急ぐ彼女の形相を無視して、のんきに返事した。


「ヘ???あの、アル知りません?」

「分かってる、分かってる。」


彼女はなだめられて、駅長から3本のネリネの花と、切符を渡された。


「??」

「この汽車に乗るんだよ」

「・・・・はい?」

「ほら。」


言われるままに乗って、汽車は彼女が乗った途端に走り出した。


「え?あの?ちょっと??」

ポーーーー

汽車の鳴る音が彼女を連れ去っていった。



「エルリック兄弟もたまにはやるじゃないか」

駅長は柔らかな笑みを洩らした。










「駅に着いたけど・・・・どうしたら良いのかしら・・・アルもどうしたんだろう・・・・」


片手に3本の花、格好は作業着の、なんともアンバランスな自分に呆れてしまった。


「あら、ウィンリィちゃんこんな所に。」


そう話し掛けてきたのは、ホークアイ中尉だった。


「リザさん?!えっと??あの、アル知りませんか??」


いつもの軍服とは違う、女性らしい服を着た彼女はウィンリィを見て微笑んだ。


「とりあえず、家に来て?」

「へ?」

「良いから。」






ウィンリィは連れてこられた途端、薄い桃色のワイシャツにふわっとした長めの白いスカートを着ることになった。


「えっと?」


彼女の疑問は答えられる事も無く


「ここから歩いてちょっとした所に鍛冶屋があるわ。そこに行ってみて」


そう、言われた。


行ってみれば


「なんか欲しいもんはあるかえ?なんでも一つ持っていきな」


と言われ、更に次の場所を指示される。

そう何軒か繰り返すうちに、花屋にたどり着いた。


「はい。」


と言われて渡されたのは9本のネリネと、カード。

カードにはエドワードの字で、


「後ろ、見ろよ」


と走り書きされている。

ウィンリィがゆっくりと振り返ると其処には良く知った2人の幼馴染が立っていた。


「エド?!アル?!」

「よぉ」



この時もう一度、はじめの思いをウィンリィは思い出した。


「て言うか、大丈夫なの?!アル!!」

「うん。それより、楽しかった?」

「ヘ??」


突然に全く見当はずれな話をされた。


「俺らが選んだんだぞ?このコース。お前の趣味なんて分かんねーよ」


ウィンリィは更に困惑する。


「あれ?気づいてなかった?今日はウィンリィご招待デーだったんだよ」

「は?」

「・・・・・お前本当に気づかなかったのか?」


ため息混じりにエドワードは言う。


「じゃあさ、ウィンリィ、今持ってる花どうしたの?」



「駅長さんに3本、花屋さんに9本貰った・・・・・・・3と9でサンキュウ??」




「いつもありがとう」



エドワードとアルフォンスは声を揃えて言った。
















ネリネの花言葉は「また会う日を楽しみに」です。
これが言いたくてしょうがなかった!!!(笑)








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言えない言葉 (幼馴染)





があぁぁぁ!!





少年,エドワードは悩んでいた。

と言うのも、ただある言葉がいえないと言うだけの話なのだが。







もう!兄さん!まだ言えないの??なんで「ありがとう」位ウィンリィに言えないのさ

別に「愛してる」とか言うわけでもないのに!



言ってたまるか!

何事もタイミングが大事なんだよ!!一度逃すと言い難いじゃないか!



そうかなぁ僕は言うけどね

そしたらウィンリィ喜ぶじゃない?





彼はなんだか弟ばっかり彼女の笑顔を見てる気がして、腹が立ったらしいのか





そんなに言うなら言えば良いんだろ!言えば!





と勢いよく彼女の部屋まで行った・・・・のは良かったが、彼はそれから前に進めない。

なんとなく、彼女にわざわざ感謝を述べに来たなんて言うのは気恥ずかしい。





悶々と悩んでいても、漫画のように彼女はタイミングよくは出てこなかった。

それを遠くから見かねたアルフォンスは





ウィンリィ!!





と呼んだ。

そしてそれを聞いた彼女は、迷いなく扉を開ける。





な〜・・・  

ガンッ





エドワードの頭に扉が直撃した。





っ痛ってぇ!!



へ?ってエド?こんな所で何やってんの??



な、なんでもねえよ!!



そんなことないでしょ?兄さん





近くにやってきたアルフォンスが言った。





なぁに?





ちょっと期待を持ったウィンリィが可愛い,なんて思いながら、少年は言えない。

笑顔のアルフォンスは怖いなんて思いながら、少年は言えな・・・・言うしかなかった。

















さっき、ありがとな。















その言葉は,小さく,そのうえ不躾に放たれた。


















田舎組大スキーvvv
お礼にもなってなかった気もしますが気持ちでカバーカバー(エコー)・・・・