雪降る夏
(鋼・パラレル エド→ウィン)






…お前は今なにしてるんだろうな?幸せか?
オレは…お前を思えば幸せだ。ああ。

この降り積もる雪のような灰。

嫌みなほどにもうすぐ来る夏を知らせる、じっとりとした湿気に混ざる寒気。
手は震えてるのに、じっとりと溢れかえる汗に張り付く。汚い雪達は泣いているよう。
陽だまりのようなお前を抱きしめて、包み込んでしまって、凍てつく世界を忘れたい。
ああ、世界は無情。
夢でさえも安息の地はなく、ただあるしきりに降り続けるこの雪。
雪をかきわけて見つけるものは濁りきった赤黒い土。
さらに踏み分けるは、きっともうかなわないであろう誰かのはかない望み。

でも、雪は知らせていた。
終わりを。

だからオレはちょっとだけ雪にうずくまってみた。
意外にこいつらは温かくてやわらかかった。
少しだけここで休んでく、許して。


それから待たせたお前の所に帰るよ。