美しい夕方よりも君を知る事が出来る夜が良い(鋼 ちょっと未来。エドウィン)
「ね!エド!!みて、夕日がすごくきれい!!」
ウィンリィが指さす先に、草原に隠されていく揺らめきはじめた太陽。
久しぶりに二人で散歩しようなんて話になって、気がつけばもうこんな時間。
見渡す限りの草たちが真っ赤に染まっている。
そんなオレの視界の真ん中に、彼女が居て。
笑顔ではしゃいでいる。
「…ああ、」
夕日がどうと言うより、彼女に見惚れてしまっていた。
こんなにも綺麗なんだな、なんて。
今更、なんていつも思ってるけど、それでもいつも彼女を見入ってしまう。
そのせいで呆けた返事しかしていなかった。
「もう!感動がないのね、あんたは!!」
ちょっと怒られて。
「そんなことない!」と慌てて弁解しようとしたが、彼女はもうこっちは向いておらず、夕日に夢中だった。
なんだか少し気に食わなくて。
ウィンリィまで近づいて。
一気に夕日の前に立ちはだかって、そして彼女の呼吸を奪ってしまう。
オレの口で。
「っ?!」
ウィンリィは驚いてよろめく。
それをいいことに、オレは彼女をさらに自分に引き寄せる。
唇は放してやらない。
気がつけば、
蒼い瞳に映るはオレだけ。
夕焼けなんか映してやらない。
満足して、彼女を開放する。
「っっな、何すんのよ、急に…」
息が続かない彼女は、フラフラしながら言った。
「オレは夕日なんかより、お前がいい」
よろめく身体を支えながら言ってみる。
案の定、ウィンリィは顔を赤くして夕日のよう。
「あんた、最近あり得ないこと言ってくるわよね…」
言われ慣れていない言葉に、耳まで真っ赤。
オレ自身こんな事言い慣れてないが、思いの衝動と彼女の反応への期待によって最近すらりと出てくる。
「ウィンリィさんに惚れてますからね」
「惚れてる」と、彼女に告げられた時のことを思い出して言ってみる。
そして、熱くなっている彼女の耳を思わず舐めてみたり。
「もう!恥ずかしいでしょ?!」
手で耳を隠そうとする彼女に、平然としたオレ。
「いや、別に?」
そんなやり取りのうちに、夕日なんかは顔を隠してしまっていて。
真っ暗な闇が広がり始めた。
「日は落ちたんだ……さ、帰るぞ」
と言ってウィンリィに手を突き出す。
「へ?」という頃にはもう、彼女はオレに引っ張られている。
もうすぐ生まれる暗澹に乗じて、愛の話でもしようか?
かなり、恥ずかしい話です。(汗)なんでこんなの書いたんだろう…
恥ずかしすぎて今更直しました。